今回はこんな疑問にお答えする記事になっています。
本記事では、藤野英人さんの著書「投資家が「お金」よりも大切にしていること」を読んだ感想を書いていきます。
本記事を最後まで読むと、「投資家が「お金」よりも大切にしていること」の魅力について知れるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
【書評】投資家が「お金」よりも大切にしていること
本書はひふみ投信で有名な、レオス・キャピタルワークス株式会社 社長でありカリスマファンドマネージャーの藤野英人さんの著書です。
【問題】
あなたはコンビニでペットボトルのお茶を買いました。値段は150円。そのお金は、コンビニのレジに収まったあと、いったいどこに行くのでしょうか?
- 飲料メーカーとコンビニの売上になる
- コンビニに商品をはこぶ運送業者の利益にもなるのでは?
- お茶農家の給料にもなる
といった答えが返ってくるそうです。
でも実際は答えはひとつじゃなくて、ほぼ無限にあるとのこと。
農具メーカー・パッケージのデザイナー・ペットボトルの素材業者・印刷会社・広告代理店・カメラマン・タレント・自動車メーカー・ガソリンスタンド・免許教習所の教官・タンカー会社
などなど。ごく一部を書き出しましたが、実際に自分でも考えてみると、本当にキリがないくらいに広がっていくことがわかります。
というのが本書冒頭のつかみです。
ぼくはこの冒頭で引き込まれて、一気に読みました。
厳しさと優しさが共存した本
タイトルからも分かる通り、投資の極意などが書かれた本ではなく、「お金」「経済」「投資」について新しい視点から見て、考えるためのヒントを与えてくれる本です。
僕が耳が痛いという意味で厳しいと感じたのは、日本人のお金との関わり方についての指摘。
日本人はお金儲け=悪、汚い、ズルいといったイメージを持っている人が多いそうです。
ですが一方で、諸外国に比べて現金・預金の比率が突出して高く、「投資」にあたる株式などの保有率は著しく低い、というデータがあり、お金にマイナスなイメージを持っているのに、実はお金を保有することが大好き、という証明が本書でされています。
また、日本人は世界一ケチな民族で、年間で成人一人あたりのお金を寄付する額が、アメリカは約13万円なのに対して、日本人は2500円なんだそうです。
データを見せられると、その差に愕然としますよね。
逆にすごく優しい考え方だなと思ったのは、「人は、ただ生きているだけで価値がある」という言葉。
この意味は冒頭にもつながるのですが、極論でいうと赤ちゃんはもちろんお金を稼げませんし、使うこともできません。
ですが赤ちゃんがこの世にいることで、ベビー服やおむつ、哺乳瓶、おもちゃ、絵本など赤ちゃんに関連する商品やサービスが無数に存在します。
ということは、それらの会社や従業員は赤ちゃんが存在していなければ仕事が成り立たず、生活ができないということ。
そういった意味で人間はどんな人でも生きているだけで価値がある。と書いていました。
この言葉にはすごく救われる人も多いんじゃないでしょうか。
そして人は誰しも、経済と無関係ではいられない、ということが分かります。
投資の勉強をする前に、まず読みたい
僕がこの本を読んで特に印象に残っている部分を上に挙げましたが、他にもおもしろい話がいくつもあります。
- 日本人が美徳としている「清貧の思想」
- 「アリとキリギリス」のアリにそっくり
- 日本の投資信託がトピックス型だらけの衝撃理由
- 本当の安定とは「成長し、変化すること」
などはすごくおもしろく、アリとキリギリスの話なんかは、自分自身もまさに勤勉なアリ=正義、サボっていたキリギリス=悪、という単純な図式を子どもの頃から刷り込まれていたことに気付かされます。
「日本の投資信託が〜」も、現在トピックス型を中心に買っている方は、ポートフォリオを見直そうかなと思うかもしれません。
目からウロコな話も多く、かつ、お金や経済について噛み砕いて書いてくれているので理解しやすい本でした。
「そもそも」の部分から考え直すヒントをくれるので、これから資産運用を勉強しようと思っている方なんかは、まずは入口として本書を読んでみるといいんじゃないかなと思いました。
今回ご紹介した「投資家が「お金」よりも大切にしていること」以外にも、下記の記事でお金について学べる本をまとめているので、お金について興味の湧いた方は、ぜひこちらも読んでみてください。
それではまた、次の記事で。